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大分市住宅地の地価動向/⑨大南地区編

2023年12月14日

1. 地域の特徴

今回は、小学校区でいうと戸次・上戸次・判田・吉野・竹中校区が対象になります。

この地域は大分市中心市街地から離れ、国道10号沿線周辺以外は農地や山林が多くを占める地域です。また、学校や病院、商業施設も戸次地区の国道10号沿線に集中しています。

大分市の住民基本台帳によると、この地区は、2018年1月から2023年1月までの5年間で人口が5.2%の減少、世帯数が2.5%の増加となっており、佐賀関・野津原地区を除く旧大分市内では、人口の減少率が最も大きく、世帯数は津留・高城地区に次ぐ二番目に低い上昇率となっています。

2.地価動向

国土交通省発表の地価公示によると、この地区の地価は、この5年間で6.0%(年平均1.2%)上昇しており、これは大分市内全体のこの期間における上昇率11.3%(年平均2.3%)を大きく下回ります。しかしながら、大南地区は住宅開発に大きな制約がある都市計画法上、市街化調整区域に指定されたエリアが占める割合が高く、このエリアを除くこの5年間の地価上昇率は9.1%(年平均1.8%)で、大分市平均をやや下回る程度となっています。大南地区の特徴として、人口・世帯数の増減率と地価変動率の地域内格差が大きいことがあげられます。例えば、戸次小学校区の世帯数が5年間に6.4%増加し、大分市全体の増加率(4.4%)を上回るのに対し、地区内すべてが市街化調整区域に指定されている竹中小学校区は5年間で世帯数が10.4%も減少しています。地価についても戸次地区の利便性が高いエリアの5年間の上昇率は10%を超えていますが、市街化調整区域内はほぼ横這いにとどまっています。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2023年12月号に掲載されています)

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