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大分市住宅地の地価動向/⑥稙田地区編

2023年9月11日

1. 地域の特徴

今回は、小学校区でいうと稙田・東稙田・賀来・敷戸・鴛野・宗方・横瀬・横瀬西・寒田・田尻校区が対象になります。

この地域は大分市中心市街地から離れるものの、トキハわさだタウンをはじめとする大型商業施設や学校等の生活に必要な諸施設が整備され利便性が高いエリアです。元々は農地や山林の占める割合が極めて高い地域でしたが、昭和40年代後半から、中・大規模団地の開発が進み、現在では世帯数が大分市内トップ、人口は鶴崎地区に次ぐ多さとなっています。

大分市の住民基本台帳によると、この地域は2018年1月から2023年1月までの5年間で、人口が3.7%の減少、世帯数が2.0%の増加となっています。一方、この時期における大分市全体の人口は0.7%の減少、世帯数は4.4%の増加となっています。

2.地価動向

国土交通省発表の地価公示によると、この地域の地価は、この5年間で15.9%(年平均3.2%)上昇しており、これは大分市内全体のこの期間における上昇率11.3%(年平均2.3%)を上回ります。人口・世帯数ともに大分市平均変動率を下回る中、地価上昇率が大分市平均を上回る理由として、①戸建住宅の需要が旺盛で、既存団地内では住宅の建替えによる老朽建物の取壊しにより住環境が好転していること、②各種商業施設の進出に伴う利便性の向上により、従来価格水準が低かったエリアの価格に割安感が生じ、これらのエリアでは特に地価が上昇しいること等があげられます。なお、この地区の需要の中心である団地の価格水準は、坪当たり15万円から23万円程度で、勤労者世帯にとって比較的購入しやすい水準となっています。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2023年9月号に掲載されています)

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