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大分市住宅地の地価動向/④津留・高城地区編

2023年7月11日

1. 地域の特徴 

今回は、小学校区でいうと東大分・津留・舞鶴・日岡・桃園校区が対象になります。 

この地域は、大分市中心市街地に近く、各種店舗や学校・病院等の生活に必要な諸施設が整備され利便性が優れるエリアです。しかし、沿岸部近くには工場や事業所が数多く立地し、住環境は良好とは言い難いエリアも存します。 

大分市の住民基本台帳によると、この地域は2018年1月から2023年1月までの5年間で、人口が3.9%の減少、世帯数が2.2%の増加となっています。一方、この時期における大分市全体の人口は0.7%の減少、世帯数は4.4%の増加となっています。 

 この地域は既に住宅が建て込み、住宅の分譲開発適地がほとんど無い上、大分市中心部のようにマンション分譲も活発ではありません。したがって、人口や世帯数が大きく伸びる要素は少なく、地域住民の高齢化に伴う人口減や世帯数の伸び悩みを補うことができないことから、前記のように人口は大分市平均に比べ大きく減少し、世帯数は大分市平均の半分の増加率にとどまっているものと考えます。 

2.地価動向 

 国土交通省発表の地価公示によると、この地域の地価は、この5年間で4.6%(年平均0.9%)上昇しており、これは大分市内全体のこの期間における上昇率11.3%(年平均2.3%)を大きく下回っています。その理由として、上記の人口減や世帯数増加の伸び悩に伴う土地需要の低迷があげられます。なお、この地域内にあっても比較的住環境が良好な国道197号の南側、かつ平和市民公園の西側に位置する岩田町・東津留・古ヶ鶴等のように近年、地価上昇傾向が顕著となっているエリアも存します。 

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2023年7月号に掲載されています)

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