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戸建住宅の建設が減少しています

2024年3月29日

 

1. 建築着工統計とその種類

国土交通省が発表した「2023年(1月~12月)の建築着工統計調査(全国)」によると、2023年の新設住宅着工戸数は前年比4.6%減の81万9623戸で、3年ぶりに減少に転じました。住宅着工統計は、「持ち家」「貸家」「分譲住宅」「給与住宅」という4つ種類に分かれています。 「持ち家」は「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」なので注文住宅、「貸家」は「建築主が賃貸する目的で建築するもの」なので賃貸住宅、「分譲住宅」は「建て売り又は分譲の目的で建築するもの」なので戸建建売住宅・分譲マンションなどがそれぞれに該当します。また、「給与住宅」は、企業や官公庁が建てる社宅や官舎などを指し、最も割合が少なくなっています。

2.戸建住宅の減少とその理由

上記4つの種類のうち、最も減少率が大きいのは「持ち家」で前年比11.4%減の22万4352戸、「貸家」は同0.3%減の34万3894戸、「分譲住宅」は同3.6%減の24万6299戸となっています。また、「分譲住宅」のうち、「戸建建売住宅」の戸数は6.0%減なのに対し、「分譲マンション」の戸数は0.3%減にとどまっています。このように戸建住宅を構成する「持ち家」と「戸建建売住宅」の減少率が他に比べ大きいのは明らかです。その理由として、①ウッドショックによる木材価格の急上昇、②若い人を中心とする戸建新築住宅志向の減退や中古に対する慣れ、③高齢化に伴う職人(大工さん)不足、④国や地方自治体が一丸となり取り組んでいる空き家活用の増加等があげられます。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2024年4月号に掲載されています)

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