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道の駅について考える

2022年12月10日

大分市神崎の別大国道(国道10号)沿いの高崎山附近に道の駅「たのうらら」が2024年春にオープンする予定ですが、今回は「道の駅」についての話です。

1. 道の駅とは

そもそも道の駅とはいったい何なのでしょうか。気になって調べてみました。道の駅の目的は道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供と地域振興となっています。そして、道の駅とは、①休憩機能、②情報発信機能、③地域の連携機能を持ち、市町村等の公的機関が国土交通省に登録申請を行い認められた施設ということです。

2. 道の駅の現状

日本国内で観光地の幹線道路をドライブすると必ずと言っていいほど「道の駅」を目にします。全国でその数は約1,200にも及ぶそうです。道の駅のルーツは、民間が経営するドライブインでしたが、利用時間に制限があったり、ドライブイン利用者しかトイレの利用や休憩ができなかったりしたため、満足できる施設とはいえませんでした。そのため、「道の駅」は24時間・無料で利用できる大型の駐車場・トイレの設置が登録のための要件となっています。結局、道の駅はドライバーと観光客のニーズを吸収し、利便性だけでなく、地元の農産物や料理の提供など地域のアンテナショップとしての役割も果たすようになり、民間ドライブインは徐々に淘汰されていきました。また、道の駅の数が増えたため、近年では道の駅間の競争も激しく、差別化をはかる必要に迫れています。その結果、温泉や公園、アスレチック、キャンプ、収穫体験施設などの時間消費機能を高め、道の駅がレジャー施設化する傾向が見られます。そして、各地の道の駅をめぐる旅も流行する等、もはや道の駅は休憩地から目的地化しているのが現状です。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2022年12月号に掲載されています)

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