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空き家問題につい考える②/なぜ空き家が問題か

2022年4月14日

空き家が増えることにより様々な問題が発生しますが、その代表的なものは次のとおりです。

1. 個人負担の増大

空き家の所有者は、その家を使わなくても固定資産税や都市計画税を支払わなければなりません(大分市内の古い標準的な戸建では年6~8万円程度)。分譲マンションであれば、それに加え、1万円から2万円程度の管理費・修繕積立金を毎月支払う必要があります。時々建物の掃除や庭の手入れをするために電気や水道の契約を継続しつづけるとその基本料金がかかります。木や草が生い茂り近所から苦情を寄せられると困るので、戸建住宅では庭の剪定や草取りもしなくてなりませんが、その費用も発生します。万が一火事が発生すると膨大な損害が発生するため火災保険に加入し続けると、空き家は住宅扱いとならないため保険料が倍近くになります。

2. 地域への影響

管理が行われていない空き家は、木や草が生い茂り、虫やネズミ等が住み着きます。人が住まなくなった家は、換気や通風ができないため急激に老朽化が進み、屋根・壁の崩落、家自体の傾きや崩壊リスクも高まります。また、空き家はゴミの投棄や犯罪の場所にもなりかねません。このようなことが起こると、空き家は周囲の景観や環境に悪影響を与え、地域の地価下落の原因となります。

このように空き家は、個人の経済的負担を増やすだけでなく、所有者は知らないうちに地域や近所に迷惑をかけ、社会的負担や損失も増大させてしまっているのです。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2022年4月号に掲載されています)

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