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住宅ローンについて①/利用者の実像

2022年8月1日

住宅ローンは、どのように利用されているのでしょうか。以下、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が本年6月に発表した「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査:2021年10月~2022年3月までに借入れをした人が調査対象)」に基づいて考察します。

1.利用者の年齢と世帯年収

利用者の年齢は30代が一番多く全体の54.7%を占めます。2番目に多いのは40代の28.5%で、30代・40代が全体の8割以上を占めます。世帯年収は600万円超800万円以下が一番多く29.3%、400万円超600万円以下が26.5%で続きます。

2.金利タイプ

金利のタイプには変動型、全期間固定型及び固定金利の期間を選べる固定期間選択型の3種類があります。このうち、変動型が73.9%を占め、全期間固定型が8.9%、固定期間選択型が17.3%で、圧倒的に変動金利の利用者が多いことがわかります。固定期間選択型では45.9%が10年超の固定期間、31.6%が10年の固定期間を選んでおり、この2つで8割近くを占めます。全期間固定型は「フラット35」が63.9%を占めます。

3.融資率と返済負担率

融資率(不動産価格に対する借入額の割合)は90%超100%以下が最も多く29.7%、80%超90%以下が18.0%と続いています。返済負担率(住宅ローンの年間返済額を年収で割った率。年収500万円で返済負担率20%なら年間100万円のローンを支払うことになる)は、15%超20%以内が最も多く26.5%、10%超15%以内が20.6%と続いています。

4.まとめ

以上からみえる最も典型的な住宅ローン利用者は、30代で世帯年収600万円程度、金利タイプは変動型を選択、融資率は90%前後(自己資金は10%程度)、返済負担率は15%程度(年収600万円の場合、月平均75,000円程度の支払い)というところでしょうか。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2022年8月号に掲載されています)

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