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空き家問題につい考える④/空き家マッチング制度

2022年6月11日

空き家を見つける手段として「空き家バンク」の利用が最も一般的ですが、空き家の利活用をより拡充するために、この度大分県では「空き家マッチング制度」を新たに導入しました。

今回はこの制度の概略についてお話ししようと思います。

1.空き家バンク利用のメリット

空き家バンクとは、市町村が運営し、空き家情報をインターネットで公開し、移住希望者等に売買・賃貸物件を紹介する仕組みです。空き家バンクを利用するメリットとして、建物建築費用、リフォーム費用、仲介手数料、引っ越し費用等を対象とした補助金が利用できる点があげられます。補助金の額や補助率は市町村により若干異なりますが、大分県内では、建築・リフォーム費用は補助率3分の2(上限100万円)、引っ越し費用は補助率3分の2(上限20万円)、仲介手数料は補助率10/10(上限5万円)程度のところが多いようです。

2. 空き家バンクの問題点と空き家マッチング制度の導入

空き家バンクの問題点として、登録物件数が少ない点があげられます。したがって、移住希望者は意向に沿う物件が見つからず、移住を諦めてしまうケースも数多く発生していました。このため、大分県では、移住希望者による住宅確保や空き家の利活用を支援するため「空き家マッチング制度」を今年度から導入しました。これは宅地建物取引士や建築士等の専門家による「空き家マッチングチーム」を設置し、空き家バンクにない物件を新たに発掘・紹介し、移住者と空き家の所有者をつなぐ制度です。この制度を利用すると、建物の修繕等に関する専門家のアドバイスも受けることが可能です。また、空き家バンクに登録されていなくても空き家バンクで登録された物件と同等な補助金を受けることもできます。詳しくは、事務局のNPO法人空き家サポートおおいた(☎097-578-8782、info@akiya-oita.com)までお問い合わせください。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2022年6月号に掲載されています)

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