不動産投資について考える④/中古賃貸マンション編

１.中古賃貸マンション投資のメリット

今回検討するのは、鉄筋コンクリート造りで３階建以上の中古賃貸マンション(１棟)です。中古分譲(区分)マンションや中古戸建住宅ではなく、1棟の中古賃貸マンションに投資するメリットとして、①短期間に不動産による資産形成がはかれる点、②投資額の割に取引の手間、管理の手間がかからない点、③投資額が多く購入層が限定される結果として、利回りが高くなる傾向にある点があげられます。この点は中古木造アパートも同じですが、金融機関は建物の耐用年数の範囲内でしか融資期間を設定しないことが多く、中古木造アパートに比べ耐用年数が長い中古賃貸マンションは、より長期の融資を受けることが可能となります。その結果、購入に当たり融資面で有利な中古賃貸マンションは中古木造アパートに比べ流動性(売却可能性)が高くなる傾向があります。

２.中古賃貸マンション投資のデメリット

中古賃貸マンション投資のデメリットとして、①総額がはり、購入できる層も限られるため流動性が低い点、②空家となった方が売却しやすい中古分譲マンション・中古戸建住宅と異なり、空室が増え収益性が低下すればするほど売却が困難となる点があげられます。この点は中古木造アパートも同じですが、中古賃貸マンションは減価償却の期間が長く、減価償却の期間が短く１年当たりの減価償却費を多く計上できる中古木造アパートに比べ、節税に結びにくい傾向があります。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS　2021年11月号に掲載されています)