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不動産投資について考える①/中古マンション編

2021年8月10日

1.ワンルームとファミリータイプ

投資対象としての分譲マンションには大きく分けて「ワンルーム」と「ファミリータイプ」の2種類があります。「ワンルーム」は1K~1LDKの間取りを中心とする単身者向けのマンションで、投資用に分譲することがほとんどです。一方、「ファミリータイプ」は2LDK以上の家族向けのマンションで、自ら居住する人向けに分譲することがほとんどです。面積の狭い「ワンルーム」方が「ファミリータイプ」に比べ、投資額が小さく、表面利回り(購入価格に対する年間家賃収入の割合)は高い傾向にあります。

2.投資対象としての優劣

立地条件や築年がほぼ同等の場合、「ワンルーム」の方が「ファミリータイプ」に比べ投資対象として優れているかといえば、そうではありません。「ワンルーム」は単身向けであるため、入居者の入れ替わりが早く、空室リスクも高くなります。また、新規入居者募集に際して行わなければならないメンテナンス(内装の張替えや部屋・水回りのクリーニング等)の数も増えます。さらに、空家状態が続き、ローン返済が負担となって売りに出しても、借主がいない「ワンルーム」は、なかなか買手がつきません。逆に、自ら利用するために購入することがほとんどの「ファミリータイプ」は、空室となった方が転売容易になります。

以上の点を考慮すると、特に初心者にとっては「ファミリータイプ」の方が「ワンルーム」に比べ投資対象として安全と考えます。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2021年8月号に掲載されています)

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