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売主・貸主が国外に居住する場合の驚くべき税金のとり方

2026年1月11日

不動産の売却や賃貸において売主・貸主に利益が発生した場合は、売主・貸主が税金を払うのが原則です。

しかしながら、国外に居住する者(非居住者)が不動産を売った場合や貸した場合、なんと買主や借主が一定割合の金額を売主・貸主から徴収して税務署に前納しなければならない源泉徴収制度があります。この制度は、税金の取り立てが難しい非居住者の申告漏れを防ぐための制度です。

この場合の非居住者とは居住者以外の個人をいい、居住者とは国内に住所を有し、または現在まで引続いて1年以上国内に居所を有する個人と定義されています。

 

1.売買の場合

対象となるのは日本国内の不動産で、代金を支払った翌月の10日までに買主は売買代金の10.21%を税務署に納付しなければなりません。この場合、手付金を支払った日、残り代金を支払った日は別々に起算されるため、手付金支払い日と残り代金支払い日の間隔が空く場合は、2回に分けて税金を支払う必要があります。

また、この源泉徴収が免除されるケースは次のすべてに該当する場合です。したがって、事業用不動産を非居住者から購入した場合などは源泉徴収が免除されることはありません。

・買主が個人であること

・買主または親族(配偶者・6親等以内の血族・3親等以内の姻族)の居住用であること

・売買代金が1億円以下であること

 

2.賃貸借の場合

貸主が非居住者であれば、借主が法人でも個人でも源泉徴収の義務が生じます。源泉徴収額は賃料支払額の20.42%です。納付期限は売買と同じく代金を支払った翌月の10日までなので毎月税金を納付する必要があります。

3.まとめ

以上のことを知らず、売主・貸主から源泉徴収分の値引きを受けていない場合でも買主・借主は源泉徴収分を納税しなければならないため、外国人をはじめとする国外に住む人から不動産を買ったり、借りたりする場合は注意が必要です。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2026年1月号に掲載されています)

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