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温泉権の評価につい

2025年9月12日

我々大分県にいる不動産鑑定士はかならず温泉権の評価という問題に直面します。温泉権とは温泉を利用する権利ですが、「源泉を直接利用する権利」のみでなく「引湯して利用する権利」も含まれます。温泉権には「広義の第一次温泉権」と「第二次温泉権」があります。前者は次の3つから構成されます。即ち、ア源泉地盤所有権、イ採取設備所有権、ウ湯口権(湧出温泉そのものを自由に支配できる権利)です。後者の「第二次温泉権」は温泉の給湯を受ける権利であり、引湯権もしくは温泉利用権、分湯権等と呼ばれています。この権利は、主として給湯会社が契約の相手方に一定量の温泉を給湯する債権・債務の関係であり、別府や湯布院の一般家庭用の引湯権(新規の給湯契約に際して払う一時金)の価格は、80万円から150万円が相場となっています。

温泉権の鑑定評価では、前記の源泉地盤所有権は土地に含めて評価し、温泉権としては「狭義の第一次温泉権」つまり「湯口権」を評価するのが一般的です。採用する手法としては、①取引事例比較法(実際の温泉権の取引から求める)、②固定資産評価基準に定める方法で算定した額等を併用して求める方法が一般的です。この場合、採取設備は評価額に含まれているということに注意しなければなりません。人工湧出による温泉は、採取設備=ポンプ・管等の揚水施設があって初めて温泉としての効用が発揮されます。採取設備を別途評価すれば、当該設備が不要な自然湧出による温泉以上の評価額を導く結果となり、両者の均衡を欠くことになるからです。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2025年9月号に掲載されています)

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