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コロナ禍における不動産市場

2023年1月15日

約3年前に始まった新型コロナウイルス感染症は、いまだ終息にいたっていません。今回はコロナ禍において不動産市場がどのように変化したかについて考えてみたいと思います。

1. 住宅地について

働き方に変化が生じ、リモートワークが普及すると、通勤の利便性を重視する「職住接近」の指向が低下し、住宅に広さを求めるようになりました。学校の休校等が重なり、家族が平日も1日中一緒に居ることが多くなると今までの住宅を手狭に感じ、より広い郊外の戸建住宅を求めるようになりました。また、住宅地に関してはコロナの影響を打ち消すほどの低金利状態が続いているため、需要の減退はほとんど起こっていません。

2. 商業地について

ホテル・旅館等の宿泊施設の商況は、コロナ禍前まではインバウンド需要に支えられ順調に推移していました。しかし、世界的コロナの蔓延によりインバウンド需要は皆無となり、国内旅行も相次ぐ緊急事態宣言の発動により大きく落ち込みました。また、リモートワークの普及によりオフィスへの出勤回数が減ったため、オフィス需要も減退しました。これらに関しては、コロナ後を見据えた経済活動の再開と政府による入国制限の緩和により徐々に回復に向かっています。

3.物流施設用地について

コロナ禍以前もEC(電子商取引)市場は、年率9%程度の成長をとげていましたが、コロナ禍においては、巣ごもり需要の拡大から年率20%を越える成長をしました。EC市場の成長は宅配など物流市場への拡大につながり、物流施設用地の需要が急激に増加しました。特に安定的収益が見込まれる日本の物流施設は人気が高く、海外から多くの投資が行われています。

(こちらとほぼ同様の内容はOITA CITY PRESS 2023年1月号に掲載されています)

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