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建物建築における木造と鉄筋コンクリートのメリットとデメリット

2018年10月18日

木造と鉄筋コンクリートの建物には、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

 

木造のメリットとして、①建築費が安い、②建築期間が短い、③あたたかみがある、④間取りの自由度が高い、⑤リフォーム・改修がしやすいという点があげられます。またデメリットとして、①火災に弱い、②地震等の災害に弱い、③シロアリ被害がある点があげられます。

鉄筋コンクリートのメリットとして、①デザインの自由度が高い、②火災に強い、③地震等の災害に強い、④断熱効果が高い、⑤耐用年数が長いという点があげられます。デメリットとして、①建築費が高い、②建築期間が長い、③あたたかみに欠ける点があげられます。

 

住宅・アパート建築に際して、私が採用する構造の判断基準はそれぞれ次のとおりです。

 

1.住宅

木造住宅は、鉄筋コンクリート住宅に較べ2~3割は安く建築できます。しかしながら、木造住宅も昔に比べ断熱効果は格段に向上し、鉄筋コンクリートと遜色ない水準になっています。また、しっかりメンテナンスを行えば、50年以上使用することも可能で、家族構成の変化に合わせた間取りの変更や増築も自由です。したがって、火災や地震等の災害、騒音等に対する安心感を優先するなら鉄筋コンクリート、そうでなければ木造住宅を私はお勧めします。

 

2.アパート

鉄筋コンクリートは建築費が高くなりすぎて、郊外部における投資効率は非常に悪化しています。一方、木造アパートは鉄筋コンクリート造りの建物に較べ、やや家賃は安くなりますがその分建築費も安く、また、減価償却が短期間でできるため、投資額の早期回収という面で優れています。しかし、転売には苦労します。なぜなら、金融機関は建物の耐用年数の範囲内でしか融資期間を設定しないことが多く、耐用年数が短い木造アパートの買い主は、それによって借入期間が制約されるからです。したがって、市街地の賃料水準が高い地域では鉄筋コンクリート、それ以外の地域では木造アパートの建築を私はお勧めします。

 

(こちらの内容は大分団地新聞10月号に掲載されています)

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