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相続税対策にアパートを建築することについて

2019年6月27日

「銀行からお金を借り、アパートを建築し、賃貸する」ことは、なぜ相続税対策となるのでしょうか。また、注意する点について今回は考えてみたいと思います。

1.なぜ相続税対策になるのか

上記のことが節税対策となるのは、現金を相続税評価上有利な不動産に代えたためです。借金をしたからではありません(借金をしても、同額の現金が手に入り差引きゼロとなるため、借金自体は相続税対策になるわけではありません)。例えば、現金1,000万円は、相続税評価上も1,000万円とカウントされますが、土地は実勢価格の概ね8割で評価されます。建物は新築なら、木造で建築費の5~6割、鉄筋コンクリートなら建築費の7~8割で評価されるのが一般的です。また、建物を賃貸した場合、建物は3割の追加減、土地も一定の追加減が可能です。つまり、アパートを建てて賃貸することは、現金を持つよりも3割から5割程度の評価減となる場合が多いと考えられます。

2.注意する点について

相続税評価において古い建物は、①現実の建物に比べ減額スピードが遅いこと、②どんな古い建物でも当初評価の20%程度の評価額が残ることから、割高で評価される場合がほとんどです。一方、入居率が低く古いアパートの実勢価格は低廉で、場合によってはマイナスとなることさえあります。したがって、相続税対策にせっかく建物を建てても、長い期間が経過した後、相続が発生すれば、その効果はありません。

また、新築の賃貸アパートは、家賃保証の利用ついても注意が必要です。家賃保証額は建築後10年経って見直しされるのが一般的です。しかし、10年経過すると建物が老朽化し、入居率が悪化したことを理由に、保証額が大幅に減額されることがあります。こうならないためには、計画的に建物のメンテナンスを行い、家賃水準・入居率を維持することが極めて重要になります。

したがって、相続税対策にアパートを建設する場合は、家賃減額リスクが少なく入居率確保が可能な建築場所の選定を含め、信頼できる不動産会社に相談することをお勧めします。

(こちらの内容はOITA CITY PRESS 2019年7月号に掲載されています)

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