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不動産の価格に大きく影響すること、物件選びの注意点

2018年10月29日

不動産は、その用途(住宅・店舗等)により価格を決定づける要因が異なります。なぜなら、不動産の用途により、購入者や購入目的は異なり、購入に際して重視する事項も大きく異なるからです。また、不動産の価格を決定づける要因は、その不動産が存する地域(環境等)の問題と、その不動産独自の問題(形状等)に分かれます。以下では、これらのことについて説明します。

 

(地域的な問題)

1 住宅

購入者は個人が中心で、住宅は生活の基盤となるため、快適性が最も重視され、収益性は価格決定の大きな要因にはなりません。具体的には、道路がきちんと整備され、近くに駅・店舗・学校・病院等があり利便性の高い地域ほど地価は高くなります。マンションは特に利便性と価格との相関性が強く、戸建住宅の場合は閑静な環境が好まれるため、マンションほど両者の相関性は強くありません。

2 アパート・オフィスビル

購入者は投資家や不動産業者が中心となるため、収益性が最も重視されます。つまり、その不動産を所有することで得られる実質的な利益(家賃収入から固定資産税等の不動産を維持していくために必要となる費用を控除した額)の多寡が価格決定の一番重要な要素になります。

3 店舗

購入者はそこで商売を営む会社や個人事業主が中心となるため、売上に直結する要因が重視されます。すなわち、①駅やバスターミナルに近いか、②背後人口が多いか、③人通りの多い通りに面するか、④車の交通量が多い通りか、⑤駐車場が整備されているか、⑤道路がきちんと整備されているか等です。

 

(その不動産独自の問題)

①接面道路が狭い土地は車の離合、駐車場の出し入れが困難なため、②形状の悪い土地・間口の狭い土地は建物や駐車場の配置が難しいため、③高低差が大きな土地は、建物の出入りが困難なため、いずれも価格が安くなります。また、住宅の場合は、道路の接面方位は日照条件に直接影響するため、価格が高い方から南面、東面、西面、北面の順になります。

 

(こちらの内容は大分団地新聞11月号に掲載されています)

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